隅田川の橋

 隅田川には現在30以上の道路橋や鉄道橋が架かっています。その中には関東大震災後の復興事業で架けられた橋も多く残っていて、3つの橋は国の重要文化財に指定されています。そんな橋を鑑賞しつつ隅田川をぶらぶらするのも良いものです。

清洲橋は「震災復興の華」と呼ばれた優美な吊り橋で、当時世界最美の橋と評されたドイツのケルン市にあったヒンデンブルグ橋の大吊り橋をモデルにしています。竣工 1928年(昭和3年)。

離れた場所から観るとエレガントな清洲橋ですが近くで見ると結構無骨。だが、それがいい。個人的に隅田川の橋の中で一番好き。
永代橋は関東大震災の震災復興事業として清洲橋と共に計画され、一番最初に架橋されました。竣工 1926年(大正15年)。
ドイツ ライン川に架かっていたルーデンドルフ鉄道橋をモデルにし、現存最古のタイドアーチ橋かつ日本で最初に径間長100mを超えた橋でもあります。架橋当時は隅田川最下流の橋で「帝都東京の門」として、上流の清洲橋と共に高く評価されたそうです。
勝鬨橋は国内唯一のシカゴ型双葉式跳開橋。橋の真ん中が跳ね上がる構造。ロマンを感じる。長らく隅田川の最下流の橋でしたが、2015年にさらに下流に環状2号線の延伸に伴い築地大橋が架けられました。1940年( 昭和15年)竣工。
設置当初は1日に5回、1回につき20分程度跳開していたそうです。航行する大型船舶がなくなったことや交通量の著しい増加などの理由で1970年を最後に開閉が停止となり、1980年には電力供給も停止されました。
その他に蔵前橋・厩橋・駒形橋・吾妻橋・白鬚橋・両国橋・言問橋が戦前に架橋された橋。どれも味わい深いが白鬚橋が重文3橋の次に好き。
次点に駒形橋
新しめの橋だと1993年(平成5年)レインボーブリッジと同日に竣工した中央大橋も優美な姿が素敵。「3月のライオン」にしばしば登場することでもおなじみ。